地球の裏側まで

地球の中心は何℃? 温度・圧力・重力と、誰も行けない場所の調べ方

公開 2026年10月18日 ・ 文:プニョル

答え 地球の中心は、地表から約6,371kmの深さ。温度は推定5,000〜6,000℃で、太陽の表面と同じくらい熱い。圧力は約360万気圧で、重力はゼロ。そこには、鉄とニッケルでできた固体の球(内核)がある。

地球の中心のデータ

項目値くらべると
深さ約6,371km東京からハワイ(ホノルル)までの距離(約6,200km)より少し長い
温度推定5,000〜6,000℃太陽の表面(約5,500℃)と同じくらい
圧力約360万気圧1cm²(指先ほど)に約3,700トン、ジャンボジェット機およそ9機分の重さがかかる
重力0どの方向にも同じように引っぱられて、つりあう
密度約13g/cm³水の約13倍。地表の岩の約5倍
物質鉄とニッケルの合金(固体)まわりの外核は、とけた液体の鉄

圧力・重力・密度は、地震の観測からつくられた地球のモデル(PREM)による値。温度は推定値で、研究によって幅がある。

中心では重力がゼロになる

地表では、地球全体が足もとの方向にあるので、真下に引っぱられる。ところが地球の中心では、上下左右のどちらを向いても、同じだけの地球がある。あらゆる方向から同じ強さで引っぱられて打ち消しあい、重力はゼロになる。地球の中心に立てたなら、体はどこにも引っぱられず、ふわりと浮く。

意外なことに、重力がいちばん強いのは地表ではない。重い鉄の核の表面(深さ約2,891km)で、地表の約1.09倍になる。

太陽の表面ほど熱いのに、なぜ固体なのか

中心の鉄は、地上なら一瞬でとけて蒸発する温度にある。それでも固体でいられるのは、圧力が高すぎるからだ。物質は、強く押しつけられるほど原子が動きにくくなり、とけにくくなる。地球の中心のような約360万気圧の世界では、鉄がとける温度は地上の約1,500℃よりずっと高くなり、5,000〜6,000℃でも固体のままでいられる。

そのひとつ外側の外核(深さ2,891〜5,150km)は、圧力が少し低いため、鉄がとけて液体になっている。この液体の鉄がうず巻いて流れることで電流が生まれ、地球の磁場がつくられている。

誰も行けない場所のことが、なぜわかるのか

1. 地震の波でCTスキャンする

大きな地震の揺れ(地震波)は、地球の内部を通りぬけて、反対側まで伝わる。その伝わる速さや道すじは、通りぬけた場所の物質によって変わる。世界中の地震計の記録を組み合わせると、病院のCTスキャンのように地球の中を調べられる。

2. 地球の中心を実験室でつくる

2つのダイヤモンドの先で小さな試料をはさんで押しつぶし(ダイヤモンドアンビルセル)、レーザーで熱すると、地球の深部と同じ超高圧・超高温をつくれる。そのとき試料に強いX線を当てると、原子の並び方がわかる。

2010年、東京工業大学(現・東京科学大学)の舘野繁彦さん、廣瀬敬さんらは、兵庫県の大型放射光施設SPring-8で、377ギガパスカル(約370万気圧)、5,700K(約5,400℃)という地球の中心に匹敵する条件をつくり、そこでの鉄の結晶の形を確かめた。

2013年には、フランスの研究チームが、内核と外核の境界(約330ギガパスカル)で鉄がとける温度を約6,000℃(誤差±500℃)と見積もった。それまで考えられていたより約1,000℃高い値だった。

3. そのほかの手がかり

まだわかっていないこと

地球の中心は、今も謎だらけだ。内核は、地球のほかの部分と少しちがう速さで回っているらしい。2023年には、その回転のずれが2009年ごろに止まり、逆向きに転じたかもしれないという研究も発表された。内核がいつ生まれたのか、鉄とニッケル以外にどんな元素がまざっているのかも、まだ決着がついていない。

▶ 本編で、地球の中心まで掘ってみる

参考にした資料

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