地球の内部構造をわかりやすく:地殻・マントル・外核・内核の深さと温度
答え 地球は外側から、地殻(深さ数km〜数十km)、マントル(〜2,891km)、外核(〜5,150km)、内核(〜6,371km)の4つの層でできている。地殻とマントルは岩、外核はとけた液体の鉄、内核は固体の鉄だ。
4つの層の一覧
| 層 | 深さ | 状態と物質 | 温度(目安) |
|---|---|---|---|
| 地殻 | 地表〜大陸で約30〜60km、海の下で約5〜10km | 固体の岩。大陸は花こう岩などの軽い岩、海の底は玄武岩 | 地表〜数百℃ |
| マントル | 地殻の下〜約2,891km | 固体の岩(かんらん岩など)。長い時間をかけるとゆっくり流れる | 上部で千数百℃、底で約3,500〜4,000℃(推定) |
| 外核 | 約2,891〜5,150km | 液体。とけた鉄とニッケル | 約4,000〜5,000℃以上(推定) |
| 内核 | 約5,150〜6,371km(中心) | 固体。鉄とニッケル | 約5,000〜6,000℃(推定) |
深さの区切りは地球のモデル PREM による。温度は推定値で、研究によって幅がある。
ゆで卵にたとえると
地球の構造は、よくゆで卵にたとえられる。うすい殻が地殻、白身がマントル、黄身が核だ。地殻は本当にうすく、地球の半径6,371kmのうち、厚いところでも1%ほどしかない。
体積でくらべると、核の半径(約3,480km)から計算して、核は地球全体の約16%、マントルは8割以上をしめる。地球は「ほとんど熱い岩のかたまり」で、海も大陸も、その表面のうすい皮にすぎない。
地殻:わたしたちが立っている、うすい皮
地殻は、大陸の下で厚さ約30〜60km、海の下では約5〜10kmしかない。日本列島の下では、地殻とマントルの境目(モホ面)はおよそ35kmの深さにある。人類が掘ったいちばん深い穴(12,262m)でも、地殻の底には届いていない。
マントル:ゆっくり流れる、熱い岩
マントルは地球の体積の8割以上をしめる、いちばん大きな層だ。かたい岩なのに、何億年という長い時間をかけて、1年に数cmという速さで対流している。この流れがプレートを動かし、地震や火山のもとになる。
- プレート:地殻と、そのすぐ下のマントルの冷たくかたい部分をあわせた板。海の下では厚さ100kmほど、古い大陸の下では150kmをこえる。
- マントル遷移層(深さ約410〜660km):圧力が高くなって、鉱物の原子の並び方が変わる。青い鉱物「リングウッダイト」は結晶の中に水をたくわえられ、この層には海に匹敵する量の水があるかもしれない。
- 下部マントル(深さ約660〜2,891km):主役は、地球でいちばん多い鉱物「ブリッジマナイト」。底のほうでは、さらに別の鉱物「ポストペロフスカイト」に変わる(2004年、日本の研究チームが実験で発見)。
外核:地球の磁場をつくる、液体の鉄
深さ約2,891kmで、岩の世界は終わる。その下は、とけた鉄とニッケルの海だ。この液体の鉄がうず巻いて流れると電流が生まれ、その電流が地球の磁場をつくる。方位磁針が北を指すのも、オーロラが極地に出るのも、外核のおかげだ。
内核:固い鉄の球
液体の外核の中心には、半径約1,220km、月の7割ほどの大きさの固い鉄の球がある。太陽の表面と同じくらい熱いのに、すさまじい圧力のせいで固体のままだ。外核の鉄が少しずつ固まり、内核は今も大きくなっている。
見えない層は、どうやって見つかったのか
地球の中を直接見た人はいない。層の境目は、どれも地震の揺れ(地震波)の伝わり方から見つかった。地震波は、物質が変わる境目で速さや向きが変わるからだ。
| 年 | 発見 | 見つけた人 |
|---|---|---|
| 1909年 | 地殻とマントルの境目(モホ面) | モホロビチッチ(クロアチアの地震学者) |
| 1914年 | 深さ約2,900kmにある核の表面 | グーテンベルク(地震学者) |
| 1936年 | 外核の中にある、固い内核 | インゲ・レーマン(デンマークの地震学者) |
地震の揺れのうち、S波(横波)は液体の中を伝わらない。地球の反対側にS波が届かない「影」ができることから、外核が液体だとわかった。
日本の地下はとくべつ
日本列島の下には、南からフィリピン海プレート、東から太平洋プレートが沈みこんでいる。たとえば東京の真下では、深さ20〜30kmほどでフィリピン海プレートに、70〜100kmほどで太平洋プレートにぶつかる。陸のプレートもあわせて、3枚のプレートが重なる世界でもめずらしい場所だ。本編では、この日本の地下から地球の中心を通りぬけ、反対側の南米大陸の地殻まで、層の順番どおりにたどることができる。