東京の地下には何がある? 深さ別に見る、足もとの世界(地下鉄からプレートまで)
答え 東京の地下には、浅いほうから順に、水道管やガス管(約1m)、下水道(数m)、地下鉄(約10m〜)、ナウマンゾウの化石が出た地層(約22m)、日本一深い地下鉄駅・六本木駅のホーム(42.3m)、黒湯(〜300m)、温泉(1,000〜1,500m)、かたい基盤岩(約2〜3km)があり、さらに深くには、フィリピン海プレート(約20〜30km)と太平洋プレート(約70〜100km)が重なっている。
深さ0〜10m:都市のライフライン
- 約1m ガス管・水道管:道路の下の浅いところには、ガス管や水道管、電線、通信ケーブルがびっしり通っている。道路工事で掘り返されるのはこの層だ。
- 数m 下水道:東京23区の下水道管をすべてつなぐと約16,000km。東京とシドニーを往復するくらいの長さになる。
- 数m〜 かつての海:東京駅の丸の内側は、江戸時代のはじめまで「日比谷入江」という海だった。東京の低地の多くは、昔の海や湿地を埋め立てた土地の上にある。
- 約8m 銀座線:1927年に開業した「東洋初の地下鉄」。道路のすぐ下の浅いところを走る。後からできた路線ほど、深いところを通るようになった。
深さ10〜50m:化石と、深い駅
- 約12m 沖積層:約1万年前から川や海が運んだ、やわらかい泥や砂の地層。縄文時代に海が内陸まで入りこんでいたころの貝がらが出てくる。
- 約22m ナウマンゾウの化石:1976年、日本橋浜町の地下約22mで、地下鉄の工事中に見つかった。約12〜15万年前、東京にはゾウが歩いていた。
- 約28m ビルを支える層:かたい砂利の層(支持層)。高層ビルは、こうした硬い層まで杭を打ちこんで建物を支えている。
- 40m〜 大深度地下:地下40mより深いところなどは「大深度地下」と呼ばれ、国が認めた公共事業なら、原則として地上の土地の持ち主に補償なしで使える(2001年施行の法律)。
- 42.3m 六本木駅(大江戸線):1番線ホームは地下42.3m。東京でいちばん深い地下鉄の駅だ。
- 約50m 東京スカイツリーの杭:高さ634mのタワーは、地下約50mまで届く壁のような杭で地面に踏んばっている。
となりの埼玉県春日部市では、地下約50mを世界最大級の地下放水路「首都圏外郭放水路」が流れている。巨大な柱が並ぶ水槽は「地下神殿」とも呼ばれる。
深さ50〜3,000m:お湯と、ガスと、かたい岩
- 〜300m 黒湯:東京の銭湯で人気の黒いお湯。多くは深さ300mより浅い井戸からくむ。黒い色は、大昔の植物が分解してできた成分(フミン酸)によるもの。
- 200〜1,500m 天然ガスとヨウ素:千葉県を中心とする「南関東ガス田」では、地層の水に天然ガスがとけている。この水にはヨウ素も多く、日本は世界のヨウ素の約3分の1を生産している。
- 1,000〜1,500m 温泉:地下は深いほど温かい。東京では、深さ1,000mで約25℃、1,500mで約40℃のお湯がわく。火山がなくても温泉が出るのはこのためだ。
- 約2〜3km 基盤岩:やわらかい地層の下から、もっと古くてかたい「基盤岩」が現れる。
深さ3km〜:プレートが重なる場所
- 5〜20km 内陸の地震:日本の内陸で起きる地震の多くは、この深さの地殻の中で起きる。
- 約20〜30km フィリピン海プレート:南から沈みこんできたプレート。首都直下地震が心配されている場所のひとつだ。
- 約70〜100km 太平洋プレート:東から沈みこんできたプレート。東京の地下には、陸のプレートもあわせて3枚のプレートが重なっている。世界でもめずらしい場所だ。
- 約680km 深発地震:2015年5月30日、小笠原諸島西方沖の深さ約680kmでマグニチュード8.1の地震が起き、全47都道府県で震度1以上を観測した。日本の下に沈んだ太平洋プレートの中で起きた地震だった。
さらに下へ
この先はマントル、そして地球の中心へと続いていく。本編「地球の裏側まで」では、ここで紹介したものを実際の深さの位置に並べ、地球の中心を通りぬけて反対側のブラジルの町に出るまでをたどることができる。
深さは東京などの代表的な例で、場所によってちがう。